2023
インクジェットプリント、アナログテレビ、小学校校内で拾い集めた写真など
学校内の清掃行為と、観察を行う中で可視化された、
空間への眼差し。
空間からの眼差し。
空間に残された痕跡。
という三つの視点からイメージは構成される。


廃墟や廃校など、人々に放置された空間に入る時、何らかの気配や雰囲気を感じることがある。日本人が長年使われた道具に霊魂を見出すように、長い間使われた空間には、そのような理屈では認識不可能な「不可知な意識」が宿るように思えてならない。


痕跡として残された生徒の写真やメモ書きは、私達にこの場所に(学校としての)時間の堆積があることを教えてくれる。
かつてここに多くの生徒が座って授業を受けていた、ということ。
「清める」「祓う」という言葉があるように、日本では使い古された対象を洗い流すことで、霊魂を物質から排除することができると考えられている。


学校に対して、清掃というアプローチを行うことで、その空間に対する意識を揺さぶることはできないだろうか。学校を見る、学校に見られるという二つの視点に立ち、この学校に対する意識の差異を見届けたい。
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