解体を迎える空間をモチーフに作品制作を続けてきた河津晃平による、美術館では初となる個展が茨城県つくば美術館で開催されました。


河津は東京藝術大学大学院在学中から解体予定地の廃墟に対して視覚、触覚を通した作品制作を始め、モチーフである空間が解体を迎えるという現実にどう向き合えばよいか考えるようになりました。


《breath,breath,》(2021)では廃墟の中を一通り清掃した後に撮影することで、廃墟写真にありがちな表面的な物語をできるだけ排し、空間そのものの息遣いを汲み取ろうとしています。表題作である《あなたの灰の中の骨へ、骨の中の灰へ》(2023)では、清掃行為を解体現場の重機の振る舞いに重ね合わせながら、場所の記憶を消し取るという意味合いや儀式性について考えていきます。


また、団地一棟の部屋全てを清掃後に画一的な撮影をし、それらを合成することによって建築の遺影でありながら同時に青図としてのイメージを炙り出そうと試みたインスタレーション《間-場》(2024)などによって構成される本展では、約20点の作品展示を行い、それぞれの視座から未だ知りえぬ空間への意識を探っていきます。






観覧無料
会期:2024年6月18日(火)→ 6月30日(日)月曜休館
9:30→17:00(6月23日は16:30閉館、最終日は15:00閉館)
<入場は16:30まで>

支援
つくば文化振興財団

会場設計協力
河野陸

カラープリント協力
阿部修一郎

Back to Top